恋がしたくて…
しっかり者の 奥様は、何でも 一人でこなし、
家を建てる時でさえ、ほとんどの事を 一人で 進めたと言う。

「女房は、とにかく、しっかり者なんだ。俺なんか居なくても、関係ない奴なんだよ。」


と、佐々木さんは、さびしげに 話を 終わらせた。


どうやら、佐々木さんは 私を嫉妬させようとしたのでは ないらしい。


なんだか 急に 佐々木さんが ふびんに思えて、

「でも、大切にされてるじゃないですか?よく、お弁当、持ってきてるじゃないですか?好きじゃなかったら、早起きして、わざわざ作りませんよ。」
と なぜか、慰めに入ってる私…。

でも、慰めの甲斐なく、
佐々木さんは
「それだって 節約の為だよ。」
と言う。
「だいたい、弁当だって、朝になんか、作っちゃいないよ。前の晩のうちに、余ったおかずを ただ 入れてるだけなんだよ。」
とも言った。
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