恋がしたくて…
鼻の傷
家に着くや否や、
大好きなミスチルの曲を流す。


あたしだって、だてに 30年、生きていた訳ではない。


初めて 失恋をした小娘じゃあるまいし…。

こんな日に、
自分の心を コントロールする事ぐらい簡単だ。


そう思って、ボリュームを大きくする。

ただならぬ ボリュームに 驚いたのか、駆け寄ってくる我が子。


「ママ。ちいちゃんも歌えるよ。」


嬉しそうに 声をあわせて歌う ちいちゃん。


ハァーっ。


思わず ため息が でた。


ちいちゃんの 雑音が、私を イラつかせる。


「ママ、この歌、好きだから、聴きながら ご飯 作るからね。ちいちゃんは あっちで 遊んでて待っててね。」


できるだけの笑顔で 話しかける私。


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