最強!!如月学園
15分後、如月学園についた。凄く立派で、敷地が広いのに驚いた。
こんな立派な高校に行けると思うと少し嬉しかったが、一つ、恐ろしく嫌なものがあった。
それは…
校門の前でいるだけで、視線が異様に集まってくること。
やっぱり、男子の中に女子一人というのは目立つようだ。
視線が嫌で、逃げるように校舎に入った。
「あれ…今年はいった女子だよ」
「うそ、めっちゃ可愛いんですけど!!」
何組かを確認するため掲示板に近寄ると、ヒソヒソが大きく聞こえた。
はぁ…いつもは可愛いって言われたら嬉しいんだけど。
何か喜べない自分がいる。
「あれぇ~、女子~?」
声にビクッとして振り返ると、背がとても高い男の人が立っていた。
髪は茶髪に金色のメッシュで、制服を着崩している。絵に書いたようなヤンキーだ。多分3年生だろう。
「うわ、可愛い~今からデート行かね?」
そう言って、私の手首を掴んだ。
いやいや、行きませんから。てか誰だよ。
「いや…いいです」
「何で、いいじゃん!!早く行こ!!」
「行かないですっ」
強引に手首をひっぱられてよろける。誰だよ~しつこいな。てか、誰か助けてよ!!見てないでさぁ。
その時。
「先輩!!」
声のほうを振り向くと…さっきの男の子!!
「おぅ、北神か。」
手首を掴んだまま、ヤンキーが答える。
男の子は私をチラリと見て、ヤンキーに言った。
「先輩、ナンパっすか?何か怖がってるみたいだからやめといてあげてください♪」
「え~でもめっちゃ可愛いんだょ!!」
そう言ってヤンキーが抱きついてきた。
うぁ~~~~!!
じたばたしたが、力が強くて離れられない。
そんな私を見て、男の子はクスクス笑った。
「確かに可愛いですね。でもナンパばっかりしてると葵先輩に怒られちゃいますよ?」
そう言ったとたん、ヤンキーは真っ青になって手首をはなし、あわててどこかへ走っていった。
何だったんだろう…。
あ、お礼!!
「あっあの!!ありが…」
振り向くと、男の子はもういなかった。
すぐにどこかに行っちゃう人なんだな…。