最強!!如月学園
まわりを見渡すと、こっちを見ている男子が何人もいた。
「ナンパされてたよ…」
「宗也先輩おとすとか、スゲー…」
ヒソヒソと話が聞こえる。やばっ、入学早々目立っちゃったよ。
まぁ男子の中に女子一人の時点で目立ってるか…
そんなことを思いながら、クラス表を見た。
1年3組か。
「…1年3組?」
確か、前に北神君?がおとした生徒手帳にかいてあったのも1年3組だ。
慌てて探してみると、やっぱりそうだ。
「一緒のクラス…」
うん、ついてる!!っていうか、よく考えたら自分の生徒手帳に書いてあるじゃん。
わざわざ見にこなくてよかったかも。
北神君の生徒手帳を開けて、フルネームを調べる。
北神、祐。
北神、祐……
忘れないように、何度も何度も心で唱えた。
1年3組のドアの前。
緊張するなぁ…
でも入らないと!!
ガラッ
勢いよくあけると、想像どおり男子ばっかの教室。暑苦しい…。
「かわい~!!」
大声がして、抱きつかれた。また!?次は誰!?
振り向くと、かわいい感じの美少年。前髪をピンであげていて、女装が似合いそうな人。
「おい、中村!!怖がってるだろ、やめてやれ。」
そこに助けがはいった。黒髪でロン毛のイケメンだ。目の下にほくろがあるのが大人っぽい。とか思ってたら、いきなり高い声がとんできた。
「きゃあ、かーわいい!!」
誰?女の子?
よかった、私以外にも女子いるじゃん。
「あ~、騙されてるよぉ」
さっきいきなり抱きついてきた男の子が言った。
「…え?」
「そいつ男。」
「えぇ!?」
この子…女の子じゃないの!!?確かに…ズボンはいてる。
「でも心は乙女だからね!!私、雪原学(ゆきはらまなぶ)。マナって呼んでね!!」
「さっきはいきなり抱きついてごめんね♪中村新(なかむらあらた)でっす!!」
「俺は夜月伊吹(よるつきいぶき)。まぁよろしく。」
マナ、中村君、夜月君…。
「君の名前は?」
「…あ、私櫻井果鈴です」
名前を言ったとたん、担任が入ってきたため会話中断。
なんか…面白そうなクラスかも。