最強!!如月学園
人気者
1時限目の後の休み時間。
私は1年3組を見渡していた。
うっかり忘れていたのだが、昨日北神君の生徒手帳を拾っているのだ。わたさないと、きっと困るだろう。
「果鈴ちゃあん!!」
「わっ!!」
再び中村君が抱きついてきた。てか…いつの間にか名前でよばれてるし。
「何キョロキョロしてんの?」
「あ…えっと、このクラスに北神君っているよね?」
「あ~、祐?前、同じ学校だった奴だよ。今日はまだ一回も見てないな。」
「そっかぁ…」
伝言板の前にはいたんだけどな。
サボって帰ったのかな…
「果鈴ちゃんっ」
「マナ!!」
マナが長い髪を揺らしながらはしってきた。
「すごいねぇ、学年中で噂になってるよ。果鈴ちゃんが可愛いって!!」
「え?何いってるの、そんな訳ないよ。私可愛くないし…」
「だって、果鈴ちゃんを見ようとしてる男子いっぱいいるよ?」
マナが指をさしたほうを見ると、確かに男子がいっぱい。
「おぉ~果鈴ちゃん大人気だね♪」
中村君がなぜか嬉しそうに言う。
「まぁ確かに見た目は悪くない。しかし、こんなに人気だとは…」
夜月君が何か考えながらつぶやく。
本当…男子ばっか。
「あの!!」
振り向くと、たくさんの男子の中の1人が私にむかって叫んでいた。
「名前教えてくださいっ」
名前?どうしよう…
その時、中村君が私と男子達の間にはいって言った。
「名前、櫻井果鈴だよ!!あだ名はリンリンだよ♪」
リ…リンリン?
なにそれ、あだ名?
パンダみたいなあだ名だなぁ…てかダサい。中村君ってネーミングセンスないかも。
「ねっ、リンリン?」
「えっ、私リンリンなんて…」
「リンリーン!!」
答える前に、もうみんなはこのダサいあだ名を叫んでいた。
「リンリン、かわいー!!」
「彼氏とかいる?」
あぁ、うるさい。
こんなのが毎日続いたらどうしよう…