桜の咲く頃 ~君に~
ケータイの着信音で目が覚めた。
目の前には目をこすりながらディスプレイを覗く翔くん。
そっか。一緒に寝たんだ。
彼もさっきまで寝ていたのか嫌々電話に出た。
「ん?あぁ瞬?・・・ん。・・・分かってるよ。今から出る。」
あ。
予定入ってるんだ。
脱力した翔くんがケータイを閉じた時パッと目が合った。
「ごめ。起こしちゃった?」
「ううん。大丈夫」
昨日と同じようにふわりと笑う。
「俺さ、今から仕事だから。テキトーに遊んでていいよ。」
・・・仕事?
「・・・昨日制服着てなかった?」
ん?っと少し眉間にシワをよせて
「あぁ、あれ仕事で使った衣装。汚しちゃったから買取になっちゃって」
面倒だからそのまま帰ってきただけ。
少し困ったように笑いながら説明してくれる。
高校生じゃないんだ・・・
童顔じゃん。