桜の咲く頃 ~君に~
投げられた鍵を見つめて考えた結果。
今日だけ待ってようということにした。
さて。
今から夕方まで何しよう?
外に出るのも気が引けるし、
だからと言ってこの部屋に1人でいるのも肩身が狭い。
・・・・・・・・・・・・・・・・。
数十秒考えたけど何も浮かばなかった。
♪~♪~♪♪~
違う部屋でケータイの着メロが聞こえた。
急いでベッドから降りてリビングへ行くと
すっかり乾いたバッグの中からお気に入りのバンドの曲が聞こえた。
めったに鳴らないケータイの着信相手はディスプレイを見なくても予測がついた。
「・・・もしもし?」
ため息混じりに電話に出ると耳を劈くような怒鳴り声が響いた。
「お前どこにいんだよ!?何度も練習サボりやがって!」