桜の咲く頃 ~君に~


あたしも翔くんの後にさっさとシャワーを浴びて寝ることにした。


寝室に入ると翔くんが一気にベッドにダイブした。


「あぁ~!今日マジで疲れた。」


枕を抱きしめて小さくなる。


「仕事?」


「ぅん。今ね、ツアーの計画立ててんの。夏の。」


さすがトップアイドル。


「ふーん。どんなの?」


「んとね、とりあえず今はセトリかな?


曲順とか結構大変でさぁ~」


「大変」と言ってるわりには楽しそう。


枕を抱きしめたまま鼻歌のように歌いだす。



「ふふっ♪新曲なんだ。これも入れてくつもり」


目を細めてふわっと笑う翔くんはほんとに嬉しそうだった。


このツアーに来る人もきっと楽しいんだろうな。



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