桜の咲く頃 ~君に~


「サヤちゃん?どした?」


翔くんの声で我に返る。


「サヤちゃん?」


さっきまでの笑顔を隠して心配そうな表情を見せる。


よほど険しい顔をしてたんだろう。


「ん?なんでもなぃ。」


無理に笑顔をつくってみようとしたけどダメだったみたい。


「疲れてんだよ、きっと。」


寝よ?



布団をめくって手を広げる。


昨日は普通に行けたのにあたしの中でためらいが生まれる。


やっぱりキケンだこの人。
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