桜の咲く頃 ~君に~



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あたしはいつの間にかステージの上に立っていた。



自分に向けられたスポットライト


満員の客席


リズムの良いドラム


やけにテンションが高いベース


2人をまとめるように響くギター


それらに乗せてあたしの声が入る。



生きてて1番心地いい時。


客席にはこんなにも人がいるのに誰1人としてあたしのことを知らない。


あたしの汚れた部分を知らない。


あたしが汚れていることさえ知らない。


だから素直になれる。


素直な心でこの空間が楽しいと感じられる。
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