涙の宝器~異空間前編
空気が美味しかった。

ここは俺の場所だ。
死んだらここから遺骨を巻いて欲しい。
この身で地元に帰るつもりはなかったが、死ねば話しは別だ。

海は流れのせいで無くなってしまうが、山ならいつまでも一部として遺ることができる。
俺が今ここに居る意味。

それは俺が存在していた事、俺が目に焼き付けた色彩。
こんな俺でも無駄じゃない生き方はあった。

自分の幸せより、大事な人たちとの幸せな生き方を考える、見つける力と強さ。
己を磨くことで周りを笑顔で包むことができる。
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