涙の宝器~異空間前編
スタート地点からゆっくりと俺の方に向かってくる誰か……
俺の目の前に立ち止まり言った。
「恥をかくだけだ。
辞退しろ。
ここまで来れたことはお前の確かな実力だ。
これ以上動けば確実に死ぬぞ」
「俺はこの本大会を制すために来たんだ。
今さら諦めたら俺の人生はその時点で終わりだ」
「そんな強気をほざいたところでお前の敗北は決まってるんだよ」
「勝負は最後まで分からない!
俺は絶対にあきらめない」
「このブーイングを聞いてみろ!
お前はゴミ同然なんだよ。命知らずが」