涙の宝器~異空間前編


哲章はそう吐きつけてスタート地点へと戻っていった。



スタートまであと1分のカウントが会場全体を大歓声で震わせた。



俺はスタート地点に向かって歩きだした。


もう周りの声など俺には何でもなかった。


俺がいま欲しいのは、スタートを告げるピストルの音だけだ。








歩いている途中、色んな映像が俺の中に流れた。


それは麻衣との様々な思い出たち。


麻衣はいつも笑っていた。

そんな彼女のおかげで生きる希望を手に入れることができた。



この人を天使と言わずに何と言おうか?
< 216 / 449 >

この作品をシェア

pagetop