涙の宝器~異空間前編
ねぇ、涼?
生まれ変わってもまた出会おうね……
そして………
『いつか二人で行こう
あの日約束したハネムーン、一緒に』
【車内】
それから電車はどのくらい走っただろうか……
運転手の声がスピーカーを通して車内に響き渡る。
しばらくすると、車内は急激に眩しい光に包まれ始めた。
その光はとても温かみがあった。
まるで天国にでも昇かのように。
やがて眩しさは止んでしまった…
一枚の写真が地べたに落ちた。
写真には寄り添って笑みを浮かべる二人の姿。