涙の宝器~異空間前編
だが、歩行を続けていくと暗い通路が段々と明るさを増していく。
やがて、頭上から鎖で吊された板が降りてきた。
ここで覆面の男はついにその口を開いた。
「この上の景色が想像できるか?」
「………いや、全く何も」
「貴様どんな覚悟でここに来た?
家族、恋人、私利私欲のためにこの大会で無惨に散っていった輩は数知れず。
貴様のためにハッキリ言っておくぞ。
この大会で貴様は97%の確率で散る」
覆面の男からの言葉には強みがあった。
その時、麻衣が高所から飛び降りる様がフラッシュバックされた。
涼は咄嗟に覆面の男に近距離で言い放った。
「散るのが97%ならその97%は散るために使うんじゃない。残りの3%は必ず持って帰る」
涙を堪えながら強みを返した。
二人は無言でその板に乗り上部へと上がっていった。
もし、麻衣が飛び降りを計らなかったならば、涼はここで『寿命』を縮めることはなかったのだろう。
エントリー完了。
一ヶ月後の本大会への参戦が決まった。
やがて、頭上から鎖で吊された板が降りてきた。
ここで覆面の男はついにその口を開いた。
「この上の景色が想像できるか?」
「………いや、全く何も」
「貴様どんな覚悟でここに来た?
家族、恋人、私利私欲のためにこの大会で無惨に散っていった輩は数知れず。
貴様のためにハッキリ言っておくぞ。
この大会で貴様は97%の確率で散る」
覆面の男からの言葉には強みがあった。
その時、麻衣が高所から飛び降りる様がフラッシュバックされた。
涼は咄嗟に覆面の男に近距離で言い放った。
「散るのが97%ならその97%は散るために使うんじゃない。残りの3%は必ず持って帰る」
涙を堪えながら強みを返した。
二人は無言でその板に乗り上部へと上がっていった。
もし、麻衣が飛び降りを計らなかったならば、涼はここで『寿命』を縮めることはなかったのだろう。
エントリー完了。
一ヶ月後の本大会への参戦が決まった。