涙の宝器~異空間前編
両腕を上げて大きく背伸びをした。

「ふぅー」

さらにリフレッシュを求め、着替えを済ませると家を出た。
向かったのは近所にあるオルミ山。

ガキの頃からの遊び場だ。
普通は登り口から入っていく。
一方、俺の実家のすぐ隣にある畑を山に沿って登って行けば、オルミ山へと繋がるんだ。

例えば複数の友達とこの山で遊ぶ際に、待ち合わせ時間に遅れるとするだろう。
でも俺は友達たちより先に頂上に着けてしまう。

それはこの畑を登って行くことで、山の中間地点まで繋がっているからだ。
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