お伽話をキミに。
《だって男の子だもん》
「……こんなんが王子でいいのか、この学校」
「………どういう意味だよ、それ」
聞こえた声に顔を上げれば見えたのは無表情のまま漫画を読む郁。
「そのまま。悠斗、全然王子キャラじゃないだろ。普通に恋いしたい思春期男子」
ギクッ
郁の言葉に気まずくなり歪んだ俺の顔。
痛いところつきやがって。
でも…その通りだ。
本来の俺は王子なんてキャラじゃない。
寧ろ、かけ離れてる。
多分…いや絶対他の男子よりも恋したい症候群は強いと思うし。
人を見た目で判断するのはよくないよな。
俺にだって普通に性欲もありますよ。
一応思春期男子ですから。