お伽話をキミに。
《勇者の決意》
早々と殆どの生徒が出払った3年の教室が並ぶ廊下を猛スピードで駆け抜けていく俺。
バッシーンッ!!!!
勢い良く教室のドアを開ければ、中には先程と変わらずけだるそうに椅子に座っている郁の姿。
そんな郁に俺は高鳴った心臓のまま叫んだ。
「郁!どうしよ、俺、恋しちゃった!!」
「………………は?」
長い間を開けて返ってきたのは"何言ってんだこいつ"みたいな郁の冷たい視線。
え、郁さんちょっと冷たくないっすか。