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今日も僕らは坂道をあくせく自転車で登っていく。

…はぁはぁと息を荒げて、立ち漕ぎで、汗びっしょりで。

僕らの横を、自動車が追い抜いていく。

運転手は、「何でこんなしんどい事わざわざやってんだ？」みたいな顔してこっちを見る。

大人にはわかんないよ。

意味があるからやってるんじゃないもの。

あの日見た自転車レースの感動が忘れられなくて。

胸の中に残った燻る何かを抑え切れなくて。

僕らは訳もなくペダルを漕ぎたくなったんだ。

理屈でしか計れない大人に、僕らの気持ちは理解できないよっ。