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「このぉ、口の堅い奴め」

明日香が私の腋の下に両手を滑り込ませる。

「吐け、吐かんか!吐くまで追及の手は緩めんぞ!」

くすぐり責めで私の好きな人を強引に聞き出そうとする明日香。

「きゃははははっ!やめて!やめてってば!」

明日香は私がくすぐりに弱い事をよく知っている。

しつこいくらいに私のウイークポイントを責めるけど、私は強情張って絶対に口を割らなかった。

「むぅ、しぶとい奴」

やっと諦めたのか、明日香は私から離れる。

「だが私は諦めないぞ、必ずお前から秘密を聞き出してやるのだー!」

おどけたように私を指差す明日香。

苦笑いしながら、私は彼女に心の中で謝罪した。

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