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まぁ今日子には構わず、俺は自分の席に座って机の中を探す。

確かこの辺に…。

「あれ?」

俺は机の中を覗き込んだ。

ない。

ない!

思わず血の気が引く。

あれがない!

ちょっと待てよ!

あれ、どこ行ったんだ?

あんなもの他人に見られたら恥ずかしいどころじゃすまないんだけど…。

血相変えて机の上も下も、床にまで這い蹲って探す俺。

「……」

その様子を今日子が眺める。

「平井君、何探してんの?」

「ノートだよ!ちょっと大切な事書いてあるノートでさ!」

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