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下駄箱の扉を開ける。

学校によっては下駄箱に扉がなくて、中の様子が一目で分かる事もある。

ちゃんと扉がある事に感謝しつつ、私は持ってきた小さな箱を鞄から取り出した。

…心臓がさっきからドクドクとうるさい。

本人が目の前にいる訳じゃない。

ただの下駄箱。

なのにどうして、こんなに緊張するの?

誰もいない早朝に学校に来て、チョコを忍ばせるだけ。

それなら勇気のない私にでもできると思ったのに。

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