colors
「いってきます」

母さんに告げて、家を出る。

玄関から出ると、更に雪は本降りになりつつある。

夜まで降り続けたら、積もるかもしれないな。

そんな事を思っていると。

「!」

家の前に誰かが立っているのが見えた。

白い傘を差した、セーラー服姿の女の子。

「夕菜」

先に行ってると思ってたのに。

特に待ち合わせしていた訳でもないのに。

彼女は僕が出掛けるのを、この寒い中待っていてくれたらしい。

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