colors

ジュース

それは、いつの間にかの日課になっていた。

放課後、駅前のコンビニで缶ジュースを買って、駅のベンチでチビチビやりながら電車が来るのを待っていると。

「?」

視線を感じた。

ふと横を見ると、髪の長い女の子が、大きなクリクリの瞳でこちらを見ている。

この制服、見覚えがある。

うちの高校の近くにある南高のだ。

女の子は俺と目が合うと、慌てて逸らして俯いてしまう。

変な奴と思いつつジュースを飲み続けるが。

「……」

気がつくとまた視線。

隣を見ると、また食い入るように見つめられていた。

見つめられているのは俺ではない。

むしろ俺が手にするジュースのようだった。

< 21 / 209 >

この作品をシェア

pagetop