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だから私も頑張ったよ。

コミックスや雑誌の山に負けないくらい、参考書の塔も作ったんだ。

これ全部読んで、勉強して、私努力したんだよ!

「もう、塔作るんじゃなくて、ちゃんと片付けなきゃ駄目でしょ?」

洋子が眉をハの字にして苦笑いする。

「じゃけんど」

おじいちゃんが口を挟んだ。

「この散らかった部屋のお陰で、また二人とも一緒におれるんじゃのぅ」

「「うん!」」

声を揃えて頷く私と洋子。

私達はこの春から、また同じ高校に通う。

大人になるまで…ううん、大人になっても一緒にいる。

私と洋子の永遠の友情は、高校受験程度じゃ引き裂かれないのだ。

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