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正一と出会ったのは高校一年の時。

最初は男の子のグループと女の子のグループに分かれてて、そのグループがお互い話すようになって。

正一も私も、その中の一人に過ぎなかった。

みんなでカラオケ行ったり、ファミレス寄って用もないのに長居したり。

それだけで楽しかったし、付き合うとか考えるより友達同士の方が楽チンだと思ってた。

でも、友情っていうのは不思議なもので。

最初はずっと皆で仲良しだったのに、少しずつ人数が減ってくる。

ある人は仲間内で恋人同士になって。

ある人は別の友達とつるむようになって。

ある人は大した理由もなく疎遠になって。

この道も、昔はもっと大勢で帰っていた。

いつも放課後、ワイワイガヤガヤ。

特別な事なんて何もないのに、楽しくて仕方なかった。

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