colors
「何がスキンケアだよっ」

傍らに置いてあったパックのコーヒー牛乳のストローをチューッと吸って、俺は加奈にまくし立てた。

「既に部活でお前黒くなってきてんじゃねーかっ!色白な友恵ならともかく、加奈はスキンケアなんてタマじゃねぇだろっつの!」

「俊平君、言い過ぎだよっ…」

友恵がオロオロしながらフォローするが、時既に遅し。

「な…な…」

加奈がワナワナと震え。

「何だと俊平コノヤロー!」

手にしたペンキ塗り用の刷毛を振り回して大声を張り上げる。

その拍子に。

「「「あ」」」

三人揃えて声を上げた。

加奈の振り上げた手が、背後に立ててあった脚立に激突。

その脚立がグラリと傾き、脚立の上に置いてあったオレンジのペンキの缶が宙を舞う。

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