colors
私の先輩達…今年の三年生達は、去年今一歩のところで敗れ、甲子園の切符を掴み損ねた。

当時一年生で、マネージャーを務めていた私は、あの時の先輩達の涙が忘れられない。

放課後も、休日も返上してグラウンドで白球を追いかけていた先輩達。

今時の十代は努力しない事に努力を怠らない、なんて、どこの大人が言ったんだろう。

そんな大人には、先輩達の汗する姿を見せてやりたい気分になる。

だけど高校野球というものは残酷で。

最後の最後まで笑えるのは、たった1チームだけ。

あとのチームは全て、それまでの頑張りを水の泡にされてしまう。

頭にタオルを被せたまま、ベンチで声を押し殺して泣いていた先輩の姿を思うと、今でも胸が詰まりそうになる。

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