強さと弱さと君と僕。
彼
最近、朝起きると涙を流してるの。
切ない夢とかでも無くて。
悲しい夢でも無いの。なんでかなぁ?
未来の自分が分からない。
想像が出来ない。
そんな事を思っても、今日は目の前に来てるから。
ためらいながらも、そっと手を伸ばして。
本当の自分と、周りに見せる自分を分けながら暮らしている。
毎日楽しい事ばっかじゃなくて。
「あ、すいません」
こんな沢山の人の中で、あたしみたいな感情抱いてる人は、何人くらい居るのかな?
悩みを持たない人間なんか居ないのかな?
大きな幸せはいらない。
ただ、小さな幸せが少しずつ続いてくれれば・・・
今のあたしにはそう思うしかなかった。
「居た」
満員電車に押しつぶされないように、必死で彼の姿を確認する。
やっぱりそうだ。確かに、君だった。