レンズ越しのあい
小学校の頃、初めてあなたを知りました。
中学も一緒だったけれど、一度も同じクラスになることが出来ず、高校に入ってようやく同じクラスになりました。
気になり出して、約五年。
私はあなたを見つけると、自然に目で追うようになりました。
あなたはいつも『無表情』で。
なにを考えているのか、まったくわからなくて。
でも、よく見ていると、一つだけわかったことがありました。
あなたはいつも、上を――、空を見ていました。
私が知っていたのは、それだけでした――。