レンズ越しのあい


彼が撮った虹。

雲の間から輝く光。

空の芸術……。


それと同じものを、自分でも撮っていた。


空があまりにもキレイで。

普段見る空の何倍もキレイで、輝いていて。


それはもしかしたら柏原くんがいたから、恋フィルターから見たから輝いていていたのかもしれないけれど。

でも、それでもこの一瞬を忘れたくなくて、思い出の一部として記録しておきたくて……。


「今なら、太陽と滴がうまくマッチしてくれるかもしれないよ?」


そう言った柏原くんの言葉に、一瞬キョトンとしてしまった。


「植物も、角度によってキレイに写るから、今がチャンスだと思う」


植物……はっ!!

そうだよ、あたし植物撮らなくちゃだった!!
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