レンズ越しのあい
「撮ってくるね」
「あぁ」
誰にでも、好きなものはある。
あたしも、空が好き。
花が好き。
君が好き。
でも、七海も好きなんだ……。
この気持ちの行方は、どうなるんだろう?
未来はわからないことばかり。
告白したら……七海を裏切ることになる?
そう思うから……言えない。
そう思うから、この気持ちを隠してしまう。
葉が太陽を浴びて雫がキラキラと光る。
木々の間から見える虹や雲の絵。
葉の間からさす木漏れ日が、私の目に眩しく映る。
それとは逆に、あたしの心は曇っていた。