レンズ越しのあい
空のことを『好き』って言ったんだって、ちゃんとわかってる。
わかってても……やっぱり離れられない。
「満里奈大丈夫?ちゃんと意識ある?」
「う、うん、ゴメン七海。ちょっと寝不足で……」
「満里奈が寝不足?珍しいね」
「うん、ちょっと調べ事してたら夜中になっちゃってて……ね」
七海に、嘘をついた。
募る罪悪感――。
出来るなら、七海にはあまり嘘をつきたくない。
でも、気付くと小さな嘘のカケラが一粒ずつ、確実に増えていく。
「寝不足なら帰って寝る?」
「あ、ううん、大丈夫。七海との放課後デート、やめたくないから」
「もう!満里奈ったら可愛い事言ってくれちゃって!」
ギュッと抱きついてくる七海に、また一粒――。