レンズ越しのあい
こんなんじゃだめだ!
七海に心配かけちゃダメ。
だって決めてるから。
七海には笑顔でいてほしいから……。
ドーナッツ屋さんに行って、いつものように居座って話す。
六時頃にはお店を出て、何もなければ解散。
「じゃ、また明日ね、七海」
「あ、待って満里奈!」
珍しく、七海が引きとめた、と思ったら。
「満里奈……なんか悩みとかあったら言ってよね?長い付き合いなんだから、隠したってムダだよ?」
……やっぱり、七海にはわかってたんだ。
でも、ごめんね七海。
それだけは……言えないの……。
少しずつ、あふれる涙。