レンズ越しのあい
少し落ち着いてから、あたしはリビン グに行き、二人でスイカを食べた。
お母さんはさっきのことについては何 も触れて来なかった。
あたしが話さないことをわかっている から。
でもね、お母さん。
あたし、七海に話す勇気が出たよ。
あたしたちは絶対に離れない。
離れられない。
そう確信してる。
だから言う。
『柏原くんが好き』
世間で言う、ライバルみたいな関係に なるかもしれない。
それでもお互い大切な存在であること には変わらない。
そう確信してる。
だからこそ、言わなくちゃなんだ……。