レンズ越しのあい
部屋に入って、早速本題に入った。
「で、話って?」
七海のその一言で。
逃げるな、逃げるな、逃げるな。
大丈夫。
七海なら、大丈夫だから……。
――話す――。
「柏原くんのこと……、なんだけ ど……」
七海の顔が強張った。
かすかな表情だって、長い間一緒にい たんだからわかってしまう。
「……そっか」
「七海……柏原くんのことが、その…… 好き、だよね?」
……言って、しまった……。
妙な沈黙。
七海の、少し辛そうな表情。