レンズ越しのあい
恥ずかしくて、でも気になって。
大切な友達だからこそ、その相手から も大切にしてほしくて。
大切な相手であるほど、その幸せを願 いたくなる。
女友達特有の気持ち。
「確かに、こういう話を満里奈とする のは初めてだし、あたしだってこのま まで終わるのはもったいないって思 う。せっかくのガールズトークだし ね。でも……」
七海の顔が、徐々に赤くなっていく。
「……はぁ、慣れない。恥ずかしい」
あたしの目の前にいる七海が、ひとり の恋する女の子に見えてしょうがな かった。
「……いい?一度しか言わないから ね」
「……うん!」
ひと呼吸置いてから、七海はその名前 を言った。