レンズ越しのあい
恋
「満里奈おはよ!!」
「おはよう七海。ギリギリアウトだよ」
今日はギリギリ遅刻だった七海が、いつも通りあたしに言い訳を話す。
「聞いてよ満里奈、あたしが起きた時に目覚ましがいつもの場所になくてさぁ」
「うん、また気付かないうちに投げ捨ててたの?」
「そうそう、だからまた目覚まし壊れ――」
バコッ
そしていつも通り、いい音が響く。
「……あ」
「いい度胸してんじゃねーの?遅刻してHR中に入って来たにも関わらず、俺には言い訳一つねーのかよ?」
「――ッだから、生徒を名簿で殴るのやめてくれる!?先生!!」
また、いつもの朝コントが始まった。
「さっさと席着け遅刻魔。それとも俺の話も聞き取れないくらいのガキなのかお前は?」
「ガキって言わないでくれる!?」