レンズ越しのあい
「お前なんてガキで十分だ」
「生徒に向かってそれは無いでしょ!?」
「遅刻してくる方が悪いっつってんだ」
「遅刻とガキ関係ないじゃん!!」
……終わりが見えない……。
でも、この言い合いをしてる時の七海は、すごくイキイキしてる。
……そう、七海が言ってた気になる人とは、先生のことだった。
親友としては、複雑な気分……。
でも、頑張ってほしいって気持ちの方が強い。
「さっさと席着け、遅刻魔。HRの続きまだあんだよ」
「言われなくても着くってば……」
七海は一瞬あたしに視線を向けてから、自分の席に着いた。
まるで二人だけの秘密みたい。
ううん、秘密だ。
誰にも教えられない、秘密の恋。