レンズ越しのあい
柏原くんも、あたしを見ていてくれて いたってこと……。
それは信じられないことで、嬉しいけ ど、夢じゃないかって怖い部分もあっ て。 でも……ちゃんと現実。
「桜庭、付き合って」
「……あたしで、いいのかな……」
「桜庭が好きだから、それ以外の理由 はないでしょ?付き合って」
そう言ってくれた柏原くんに返す言葉 は、一つしか残ってない。
「よ、よろしくおねがいしま す……!」
肯定。
あたしは今、とても幸せだ。
柏原くんが、あたしを抱きしめる。
あたしも、その背中に手を回す。
暫くの間、幸せに浸っていた。