キスして
外人顔のわたし。

浴衣が…似合わない…。

せっかくママに買ってもらったけど似合わない…。


今日の夏祭り、浴衣で行きたかったけど断念するしかなさそう。



ショックをウケながら涼子ちゃんとの待ち合わせ場所に私服で向かった。

着たかったのに…浴衣。

諦めきれなかった。



電車でコトコト揺られながら待ち合わせ場所の駅に向かう。

電車の中はすいてて、クーラーが効いてて快適だったけど一歩外に出たら地獄。

いい天気すぎて暑すぎる。


壮陛たちとの待ち合わせは6時だけど涼子ちゃんとは4時に集合した。

涼子ちゃんがお茶に付き合ってって言ったから。


気持ちを落ち着かせたいらしい。

緊張するよね、好きな人と遊ぶんだもん。

話したこともないし。



外に出てタクシーが止まってる先の大きな時計の下を見ると涼子ちゃんの姿があった。

ピンクの浴衣を着て、扇子で扇いでる。

暑そう…。


走って涼子ちゃんのもとに駆け寄った。

アスファルトからの照り返しがキツい。



「涼子ちゃん。」


呼びかけると涼子ちゃんはこっちを見た。


「菜穂ちーん…。暑い~…。」


そんな涼子ちゃんのため、すぐにファーストフード店に入った。


そこで涼子ちゃんは


「緊張する~。」


って10回くらい言ったと思う。
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