キスして
壮陛は鈴ちゃんを見て考えるように上を見ながら

「ミス北洋?そんなんあんの?知らねー。」

って言った。


「さっき呼びにきたわよ?あんたを。また来るって言ってたけど。」


そう言うと小さく頷きながら


「ふーん、わかった。」


って言いながら机に向かってった。

2人のときはいっぱいわたしを見て話してくれるけど教室じゃいつもこんなもんなんだよね…。

寂しいけど我慢。

いつもはそう思ってた。

でも、今日は不安が1つ増えちゃった。

ミス北洋は一体何の用なの??


その瞬間チャイムが鳴ってわたしは立ち上がって机に向かった。

もちろん壮陛の隣。


座った瞬間壮陛は


「あ、俺明後日からバイト始めるから。昨日言い忘れてた。」


いきなり言った。

ガヤガヤした教室。

聞いてる人はいないと思う。


「え、バイト??どこで??」


「この近くのファミレス。ジョイってあるじゃん、あそこ。」


ジョイは学校の近くのチェーン店。

うちの学校はバイトは何も言われないから近くでしていいんだけど…相談くらいしてほしかったな。

でも決まったってことだし今さらいってウザイって言われたくないから


「そっか。頑張ってね。わたしもしたいな~、バイト。」


そう呟いたら担任が来た。


「お前、すんなよ。バイトとか。ま、親が許可しないんじゃねぇ??」


笑うように言う壮陛。

確かにそうだけどなんでしちゃいけないんだよ…。

言い返そうとしたら担任が口を開いたから何も言わなかった。

担任は明日から2日間のテストのことを淡々と話し始めてた。
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