キスして
テストが終わると真っ先に鈴ちゃんと涼子ちゃんのところに行ってテストの話をした。

今日まで午前中授業。

このまま帰っていいんだ。


壮陛、一緒に帰ろうって言ってくれるかな??

バイトまで一緒にいてくれるかな??


2人と話しててもこんなことばっか考えてた。

卑怯だね、逃げてたんだ。

話しかけられるの待ってたんだ。

スネてたってのもあるんだけどね。


そのときまた、見えた。

心臓が大きく跳ねてしまうあの人の姿。



教室に入ってくると注目を浴びながら歩き、壮陛のそばへ。

そして壮陛はその人と歩いて教室を出た。

わたしを全くみらずに。


ねぇ、壮陛。

どうしてわたしのこと、見向きもしてくれなかったの??

わたしの気持ちなんて考えてなかったんだって思ってたよ。
< 149 / 245 >

この作品をシェア

pagetop