キスして
学校に来るとまだ来てない壮陛。

わたしはもう来てた鈴ちゃんと涼子ちゃんにバイトの面接があることを言った。

壮陛よりも先に。


お店はナイトカフェという店。

ナイトといってもホストとかそうのじゃない。

夕方5時~夜中の2時まで営業のカフェだからそんな名前なだけ。

前にママと行ったことあるけどすごくコーヒーの匂いがよくて落ち着いたいいお店だった。


「決まればいいね。遊びに行くよ!!」


涼子ちゃんは笑顔で言ってくれた。


「菜穂、そんなことより涼風と連絡はちゃんと取ったの?」


鈴ちゃんはバイトのことに一切触れず聞いてきた。

わたしは目線を一度はずした。

それに2人とも気付いたんだろう。


「とってないの!?」


涼子ちゃんが聞いてきた。


「ううん、メールしたら返ってきたけど…これだけ。」

そう言ってメールを見せた。

2人は黙ってわたしの携帯を覗く。


「ちゃんと聞きなよ。心配でしょ??わたしももし、フジくんがあの人と2人でいたら心配でしょうがないもん。」


涼子ちゃんは心配そうな顔と声。


「そうよ。あの木下さやかって人はね、彼女がいようがいまいが狙うような人らしいんだから。あんま近づくなって釘さしときなさい!!」


鈴ちゃんがいつものようにクールに言い放つ。


その言葉に頷いた。


わたしは鈴ちゃんのその言葉を聞いて半端ない不安に襲われた。

彼女がいても狙うような人…。

壮陛が狙われたらわたし、きっと勝てないよ。

あんな綺麗な人には。


そんなとき教室がすごしザワめく。

そんなときはいつも壮陛が登校してきたとき。


壮陛が教室に入ってきてわたしを全く見ずに席についた。

また不安に襲われた。
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