キスして
ほんとに1分くらいで着いた。

目印の公園が近くにあるから、そこをまっすぐとか言って家の前でおろしてもらった。


「ありがとうございました。」

ヘルメットを渡してお礼を言うと赤星さんは爽やかな笑顔で


「いーえ。また明日ね。」


そう言って帰っていった。

いい人だな、店長も山野さんもいい人だし、いいとこでバイトできてよかった。


そう思いながら家に入り、パパとママに楽しかったことを伝えた。

頑張ると。


そして部屋で壮陛に連絡を入れた。

一応赤星さんのバイクに乗ったことは隠し、


《今帰ったよ。バイト、頑張れそう。》

ってメールをした。


すぐ電話がかかってきた。


「俺も今帰ってるとこ。頑張れそうなの?」

そう問う壮陛に


「うん、みんないい人だし仕事も簡単だし頑張れそう!!」

そう言った。


「なんかあったら言えよ。明日もバイト?」


「うん。壮陛は??」


「俺も。じゃ、お前もう風呂入るだろ?また明日な。」


「うん、おやすみ。」


そう言って電話を切った。

やっぱり直接話すほうがいいな。

顔見て話すほうが表情わかっていいもん。

おもしろがって笑う壮陛の顔でも見てたらあたたかくなる。



わたしがバイトを始めたのって壮陛に対抗して、そしてバイトと偽って遅くまで遊ぶため。

でもバイトが楽しくてそんな理由忘れてた。

それから毎日バイトに行き、週に1度休み、休みが合わなくて壮陛とは遊べず、それからまたバイトという生活。

学校だけで壮陛と会い、バイト先では週に5回は店長と赤星さんと山野さんの顔を見てた。
< 164 / 245 >

この作品をシェア

pagetop