キスして
涼子ちゃんは目を合わせないようにしてるのがまるっきりわかった。

あとから聞いたらいらんこと言いそうだからあえて関わらないようにしてたらしいけど。


「あ、2組の吉岡廉くん。友達。」


「ふーん。ま、関係ねーけど。」


そう言うと涼風くんはわたしらに後頭部を見せて眠る体制に入った。


「ちょお、なんで名前で呼ばせてるん?俺も呼んでええ??」


廉はわたしに目を丸くしながら言った。

もう早く休み時間終わればいいのにって心底思った。


「え…別にいいけど。」


そのとき涼子ちゃんがバカ。と小さく呟いたのが分かった。

鈴ちゃんもチラチラこっちを見てるのが分かってた。

別にいいと言ったとき、ため息をついたのも。


「菜穂…ええな♪廉と菜穂。付き合うてるみたいやん。」


そのときやっと授業が始まる、そして休み時間の終わりを告げるチャイムが鳴った。


「菜穂、またあとで来るわ。」


そう言うと廉は颯爽と出て行った。


「菜穂ちん……バカだね。フォローしたがいいよ。」

涼子ちゃんはそう言って席に戻って行った。

フォロー??

なんのことかさっぱりわからなかった。

何のことを涼子ちゃんが言ったのか。
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