キスして
それから普通に授業が始まり、そして終わり昼休みになった。

涼風くんはずっと寝てた。


「おなかすいた~♪」

わたしが弁当を持って鈴ちゃんのところに行くと涼子ちゃんがすぐ口を開いた。


「菜穂ちん、涼風に謝ったがいいよ…。彼氏の前で名前で呼ばせるのオッケーしたうえ、恋人同士みたいなんて言われて涼風……━。」


「まじうぜぇ。ブサイクなツラ引っさげて騒いでんじゃねーよ。気分がわりー。」


そんなことを言う涼子ちゃんのずっと後ろから涼風くんの女の子に言う言葉が聞こえてきた。


「ほ~ら、いつもに増してご機嫌斜め。」

困惑していた。

そっか…。

わからなかったけど…そうだよね。

嫌だよね。

でもそれって妬いてくれたってこと??

それはそれで不謹慎ながらドキドキしちゃうけど。


「菜穂、今日は涼風とゴハン食べておいで。いずれバレると思うし。ほらもう行っちゃうよ。」

鈴ちゃんは涼風くんを見ながら言った。

確かに涼風くんはまだ懲りずに騒いでる女の子を睨みながら出て行くところだった。

一緒に食べてくれるかは謎だけど…。


「菜穂ちん、負けるなっ!!行けッ!!」

涼子ちゃんが笑いながら言ってくれた。

そうだよね。

うん、謝ろう。

嫌って言われても謝るだけでもしなきゃ!!


「うん、ありがと!!」

そう言ってわたしは涼風くんの元に走った。

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