永遠の。


ベッドの上で、携帯を開いたり…閉じたり。

それから、登録されているメモリを見る。
「あ」から始まって…

ふいに指が止まる。


『山本 碧伊――…。』


呟いたからって、魔法みたいに繋がるワケないんだけど。


あの日から、もう2週間が過ぎた。


どういうわけか、山本サ…、碧伊サンの番号とアドレスが登録されていた。

それに、気付いたのは3日前のこと。

お風呂から部屋に戻ると着信を知らせるランプが点滅していた。

『?−−真麻?』

気にもせず、確認した。


−−−−−−はい?


目を見開くって、まさにこの時の私だと思う。

鏡で見てみればよかったなぁ。なんて、今になって思う。だってさ、見たことないんだもん。


着信はメールだった。

”8月のライブの後、打ち上げやるから、綺乃も参加すれば?真麻チャンも来る。”

絵文字ひとつないメール



『来週かぁ……。』



あの日−−−
真麻達とゴハンを食べに行った時、碧伊サンは私が「山本サン」と呼ぶのを禁止した。

理由は……鳥肌が立つから。らしい。

…――――意味不明。

それを聞いていた晃くんと真麻が、『じゃぁ、綺乃って呼んでもらいな?!』とか、なんとか。

その時は、軽く聞き流してるみたいだったのに、帰り際



『綺乃、気をつけて帰れよ?』



私の頭をポンポンって撫でながら…そう、ハッキリ言った。



−−−−−−−っ!!!

やばいやばいやばいっ。思い出しちゃった。

部屋のエアコン故障?!



顔が、熱い。
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