永遠の。
3
ベッドの上で、携帯を開いたり…閉じたり。
それから、登録されているメモリを見る。
「あ」から始まって…
ふいに指が止まる。
『山本 碧伊――…。』
呟いたからって、魔法みたいに繋がるワケないんだけど。
あの日から、もう2週間が過ぎた。
どういうわけか、山本サ…、碧伊サンの番号とアドレスが登録されていた。
それに、気付いたのは3日前のこと。
お風呂から部屋に戻ると着信を知らせるランプが点滅していた。
『?−−真麻?』
気にもせず、確認した。
−−−−−−はい?
目を見開くって、まさにこの時の私だと思う。
鏡で見てみればよかったなぁ。なんて、今になって思う。だってさ、見たことないんだもん。
着信はメールだった。
”8月のライブの後、打ち上げやるから、綺乃も参加すれば?真麻チャンも来る。”
絵文字ひとつないメール
『来週かぁ……。』
あの日−−−
真麻達とゴハンを食べに行った時、碧伊サンは私が「山本サン」と呼ぶのを禁止した。
理由は……鳥肌が立つから。らしい。
…――――意味不明。
それを聞いていた晃くんと真麻が、『じゃぁ、綺乃って呼んでもらいな?!』とか、なんとか。
その時は、軽く聞き流してるみたいだったのに、帰り際
『綺乃、気をつけて帰れよ?』
私の頭をポンポンって撫でながら…そう、ハッキリ言った。
−−−−−−−っ!!!
やばいやばいやばいっ。思い出しちゃった。
部屋のエアコン故障?!
顔が、熱い。