永遠の。
『きもいって‥。ひどくない?』
『だって、きもいんだもん。さっきから、ひとりでニヤニヤしてさぁ。――!!!分かった♪さては―――』
『やだっ!!!ちょ、真麻っ!!!声!!!!!』
慌てて、真麻の口を手で押さえようとしたら
『わりぃ。ちょっと、出てくるな。』
アタシの斜め前に座っていた碧伊サンが、立ち上がってドアに向かっていった。
『綺乃、碧ちゃんはヤメときなよ。』
え?
いつになく、真剣な真麻の声が隣りから聞こえた。
『―んもぉ、何?真麻ってば何言い出すかと思えば。やだなぁ。』
そう言いながら真麻の方を向くと、真っ直ぐアタシを見てた。
『ならいいんだけどさ。まぁ、碧ちゃんも女いるしね。』
ドクンッ。
『みんな、お疲れさまぁ。』
その時、店を出た碧伊サンが戻ってきた。
『綺乃?』
『あ、――うん。大丈夫だって。ま、カッコイイなぁとは思うけど、好きとかそんなんじゃない…し。』
どこか、悲しげな顔で真麻が見つめてくる。
なんで?
ちゃんと笑えてるよね?
『バカ!!綺乃のバカ。無理しなくていいのに…』
真麻は、アタシの頭を撫でてた。
うん。
ホント、バカだよね。
何、勝手にドキドキしたりしてたんだろぉ…
自分に都合よく解釈したりなんかして。
ホント、バカ。
手の届かない人を好きになるなんて。
ドアの近くにいる、碧伊サンとその女の人を見て気付くなんて。
バカすぎるよね‥