永遠の。
2
えっと…
『あッ!ここだっ!』
時刻は、PM7:00前
暑い。
さっきまで雨だったからかなぁ。
夏 独特の香りがする。
『ここ?それにしても、珍しいよね。綺乃がこんなトコに行くなんてさ。』
隣にから声をかけるのは、従姉妹の安部 友香(あべ ともか)。
ちょっ、すんごく視線を感じるんですけど。
それも、そのハズ。
友香姉ちゃん美人だもん。
167cmの身長に、9cmのピンヒール
それに恵まれたモデル体型。
大きなパッチリ二重にぽってりした唇。
仕事は化粧品の販売員をしているせいなのか、自分を綺麗に見せる術をフル活用したメイク。
綺麗だよなぁ。
そんな、友香姉ちゃん曰く
私と似てるらしい。
どこがデスカ?
『綺乃。口、開いてるから。マヌケだよ。』
っ!!
さらっと、言うよね。
『ほら、チケット出してよ。暑いから入るよ。』
私達が立っていたのは、ライブハウスの前。
昨日、放課後に真麻にお願いされて来た場所だった。
『えっ?!ちょっ、待ってよ!』
『ほら!早く!行くよ。』
そう言って、スタスタと中へ入ってしまった友香姉ちゃんを追いかけた。
実は、今日ここであるライブに真麻の彼氏が出るらしい。
真麻は親戚の法事があるらしく、見に来られないんだって。
だから、代わりに私。
別に、見れないなら仕方ないじゃんね?
って、やんわり断ってみたんだけど…
『チケット代、もったいないもん!』
と、言い切られてしまったんだ。